みなさま、アンケート調査を効果的に活用できていますか?「とりあえず質問を並べてみたものの、本当にこれで良いのだろうか…」「期待したような回答が集まらない…」そんな悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、アンケート調査の成否は、調査票の作り方にかかっていると言っても過言ではありません。また、質の高いデータを収集し、ビジネスに活かすためには、戦略的なアンケート調査票の作り方が不可欠です。
本記事では、オンライン・オフライン共通で使えるアンケート調査票の作り方の基本ステップから、回答の質と量を高めるための具体的な質問設計のコツ、さらには回答率を向上させるためのテクニックまで、網羅的に解説します。
効果的なアンケート調査票作成の基本ステップ
効果的なアンケート調査票を作成するためには、いくつかの基本的なステップを踏むことが重要です。そのため、闇雲に質問を作るのではなく、計画的に進めましょう。
1. 調査目的の明確化
まず最初に、「何のためにアンケート調査を行うのか」「調査結果を何に活かしたいのか」という目的を明確にすることが最も重要です。なぜなら、目的が曖昧なままでは、必要な情報を得るための適切な質問が作れないからです。
^1例えば、「新商品のターゲット顧客層を把握したい」「既存サービスの満足度を測定し、改善点を見つけたい」「特定の社会問題に対する意識を調査したい」など、具体的な目的を設定しましょう。
2. 調査対象者の設定
次に、誰にアンケートに答えてほしいのか、調査対象者を明確に定義します。
^1 年齢、性別、居住地、職業、特定の製品・サービスの利用経験など、目的に応じて対象者の条件を具体的に設定します。
対象者が明確になることで、質問の言葉遣いや内容、アンケートの配布方法などを適切に選択することができます。
3. 調査項目の洗い出し
調査目的と対象者が明確になったら、目的に沿って「何を聞くべきか」という調査項目を洗い出します。この段階では、できるだけ多くの項目をリストアップし、その後、優先順位をつけて絞り込んでいくと良いでしょう。また、仮説を立て、その仮説を検証するために必要な情報は何か、という視点で項目を考えると、より戦略的な調査票になります。
効果的な質問設計のポイント
調査項目が決まったら、いよいよ具体的な質問文を作成していきます。そのため、回答者にとって分かりやすく、かつ正確な情報を引き出すための質問設計には、いくつかの重要なポイントがあります。
1. 質問形式の選択
質問の内容に合わせて、適切な質問形式を選びましょう。主な質問形式には以下のようなものがあります。
- 単一回答(SA): 複数の選択肢の中から1つだけを選んでもらう形式。「はい/いいえ」や評価段階など。
- 複数回答(MA): 複数の選択肢の中から当てはまるものをすべて選んでもらう形式。
- マトリクス形式: 複数の項目に対して、同じ評価軸で回答してもらう形式。満足度調査などでよく使われます。
- 自由記述(FA): 回答者に自由に文章で記述してもらう形式。具体的な意見や理由を深掘りしたい場合に有効ですが、回答や集計に手間がかかる点に注意が必要です。^2
- 段階評価(リッカート尺度など): 「非常に満足」から「非常に不満」までのように、段階的な評価を求める形式。^2
2. 明確でわかりやすい言葉遣い
専門用語や曖昧な表現、二重否定などは避け、誰にでも理解できる平易な言葉で質問文を作成しましょう。
^2
また、一つの質問文で複数のことを尋ねる「ダブルバーレル質問」も避けるべきです。
例えば、「最近、弊社の新製品Aと従来品Bのどちらを、どのくらいの頻度で購入されましたか?」という質問は、「新製品Aの購入頻度」と「従来品Bの購入頻度」の2つの質問に分けるべきです。
3. 誘導的な質問を避ける
回答が特定の方向に偏るような、誘導的な質問は避けなければなりません。
^2
例えば、「多くのお客様にご満足いただいている弊社のサービスについて、改善すべき点はございますか?」といった聞き方は、肯定的な評価を前提としているため不適切です。そのため、常に中立的な立場で、客観的な事実や意見を尋ねるように心がけましょう。
4.
回答しやすい質問の順序
アンケート全体の構成も重要です。また、回答者がスムーズに答えられるように、質問の順序を工夫しましょう。
- 導入: まずは回答しやすい簡単な質問から始め、徐々に本題へ移るのが基本です。^2
- 論理的な流れ: 関連性の高い質問はまとめて配置し、話の流れが自然になるようにします。
- デリケートな質問: 年収や個人的な信条など、答えにくい質問は最後に配置する配慮が必要です。^2
5.
適切な質問数と所要時間
質問数が多すぎると、回答者の負担が増え、回答率の低下や不誠実な回答を招く可能性があります。
^2
そのため、アンケートの目的を達成するために本当に必要な質問だけに絞り込みましょう。一般的に、オンラインアンケートであれば5分~10分程度、質問数にして10~15問程度が目安とされています。
^2 また、アンケートの冒頭で、おおよその所要時間を伝えるのも親切です。
オンラインアンケート特有の注意点
近年、オンラインでのアンケート調査が主流になっています。オンラインならではのメリットは多いですが、いくつか注意すべき点もあります。
1. デバイス対応(レスポンシブデザイン)
スマートフォン、タブレット、PCなど、様々なデバイスからのアクセスが想定されるため、どのデバイスでも見やすく回答しやすいデザイン(レスポンシブデザイン)であることが重要です。
^3
2. 回答負荷の軽減
長時間のアンケートや複雑な操作は、オンラインでは特に離脱の原因となります。
- プログレスバーの表示: 回答の進捗状況を視覚的に示すことで、回答者のモチベーション維持に繋がります。^2
- スキップロジックの活用: 回答内容に応じて、関連性の低い質問をスキップさせることで、回答者の負担を軽減できます。^3
3. セキュリティとプライバシー
個人情報を含むアンケートを実施する場合は、データの取り扱いやセキュリティ対策について明記し、回答者が安心して情報提供できるように配慮する必要があります。
^3
回答率を高めるコツ
どんなに素晴らしいアンケート調査票の作り方をマスターしても、回答が集まらなければ意味がありません。ここでは、回答率を高めるためのいくつかのコツをご紹介します。
1. 魅力的な導入文
アンケートの冒頭で、調査の目的、所要時間、回答のメリット(例:抽選でプレゼント)などを明確に伝え、回答者の協力を促す魅力的な導入文を心がけましょう。
^2
2. インセンティブの活用
謝礼やポイント、抽選でのプレゼントなど、何らかのインセンティブを用意することも回答率向上に有効な手段の一つです。
^3 ただし、インセンティブ目当ての不誠実な回答を招かないよう、バランスが重要です。
3. リマインダーの送信
回答期限が近づいてきたら、未回答者に対してリマインダーメールを送るのも効果的です。ただし、頻繁すぎるリマインダーは逆効果になる可能性もあるため、タイミングや回数には注意しましょう。
MinediaのAI技術でアンケート調査をさらに進化

アンケート調査票の作り方は奥が深く、質の高いデータを集めるためには様々な工夫が必要です。Minediaでは、AI技術を活用してリサーチの効率化と質の向上を支援するソリューションを提供しています。
例えば、Minediaの「
AIペルソナ」ソリューションでは、過去の調査データや購買データからAIが詳細な消費者ペルソナを自動生成し、そのペルソナに対してチャット形式でインタビューを行うことが可能です。これにより、従来のインタビュー調査にかかっていたリクルーティングや実施の工数を大幅に削減し、より手軽に消費者の深層心理に迫ることができます。また、アンケート調査で得られた定量データと組み合わせることで、より多角的な顧客理解が期待できるでしょう。
また、Minediaの「
AI Driven
調査ソリューション」は、オンラインインタビューシステムとAIによる自動文字起こし、さらにはインタビュー内容のサマリーレポート自動生成機能を備えています。アンケート調査で得られた仮説を深掘りするための定性調査を効率的に実施し、その結果を社内でスムーズに共有・活用することが可能です。
これらのソリューションは、アンケート調査で得られた示唆をさらに深め、具体的なアクションに繋げるための強力なサポートとなります。ご興味のある方は、ぜひ
Minediaへお問い合わせください。
まとめ
本記事では、アンケート調査票の作り方の基本ステップから、効果的な質問設計のポイント、回答率を高めるコツまでを解説しました。質の高いアンケート調査票は、的確な意思決定や効果的なマーケティング戦略の基盤となります。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ「使える」アンケート調査票を作成し、ビジネスの成長に繋げてください。Minediaは、皆様のリサーチ活動を
様々なソリューションでサポートいたします。
参考文献