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定量データ分析方法の基本|Excel・オンラインツール活用ガイド

アンケート調査などで集めた定量データ、どのように活用されていますか?また、「集計はしたけれど、そこからどう分析すればいいかわからない」という声をよく耳にします。さらに、「Excelの機能は知っているけど、効果的な定量データ分析方法がわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

定量調査で得られた数値データは、消費者の傾向や市場の実態を客観的に把握するための宝の山です。しかし、その価値を最大限に引き出すには、適切な定量データ分析方法の習得が不可欠です。

この記事では、定量データ分析方法の基本を、初心者の方にもわかりやすく解説します。また、Excelやオンラインツールの具体的な活用方法から、少しステップアップして統計的な見方(統計的検定)の入口まで、実践的な知識を身につけていきましょう。

1. 定量データの集計:まずはデータを整理しよう

分析の第一歩は、集めたデータを整理し、全体像を把握することです。また、代表的な集計方法を2つ紹介します。

1-1. 単純集計(GT集計):全体像を把握する

単純集計(Grand Total集計)は、各質問項目に対して、どの選択肢がどれくらいの数(度数)または割合(%)で回答されたかを集計する方法です。また、アンケート結果の基本的な傾向を掴むのに役立ちます。例えば、「商品Aの満足度」という質問に対して、「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満」の各選択肢が何人に選ばれたか、それぞれの割合はどれくらいか、といったことを明らかにします。ExcelやGoogleスプレッドシートでは、COUNTIF関数やピボットテーブル機能を使うことで簡単に単純集計が可能です^1

1-2. クロス集計:属性別の傾向を見る

クロス集計は、2つ以上の質問項目を掛け合わせて集計する方法です。例えば、「年代」と「商品Aの満足度」を掛け合わせることで、「どの年代が商品Aに満足しているか」といった、より詳細な分析が可能になります。クロス集計でわかることの例:
  • 年代別の満足度の違い
  • 性別による購入意向の差
  • 職業別のサービス利用頻度の傾向
Excelのピボットテーブル機能は、クロス集計を行う上で非常に強力なツールです。また、ドラッグ&ドロップの簡単な操作で、様々な切り口での集計表を作成できます^1^2。さらに、集計結果をパーセンテージ表示に切り替えることで、構成比の違いも分かりやすくなります。

2. 定量データ分析方法:データから意味を読み解く

集計したデータから、さらに深い意味や傾向を読み解くための基本的な分析手法を見ていきましょう。

2-1. 基本的な統計量:データの特徴をつかむ

データ全体の特徴を数値で要約するのが記述統計量です。また、代表的なものをいくつか紹介します。
  • 平均値 (Mean): 全てのデータの値を合計し、データの個数で割った値。最も一般的な代表値ですが、外れ値(極端に大きい値や小さい値)の影響を受けやすい点に注意が必要です。
  • 中央値 (Median): データを小さい順(または大きい順)に並べたときに、ちょうど中央に位置する値。また、外れ値の影響を受けにくいのが特徴です。
  • 最頻値 (Mode): データの中で最も出現回数が多い値。さらに、アンケートの選択肢などでよく使われます。
  • 標準偏差 (Standard Deviation): データのばらつき具合を示す指標。標準偏差が大きいほど、データが平均値から広く散らばっていることを意味します。
これらの統計量は、Excelの関数(AVERAGE, MEDIAN, MODE.SNGL, STDEV.Sなど)や「データ分析」ツール(アドイン)を使うことで簡単に計算できます^3

2-2. グラフ化:データを視覚的に表現する

集計・分析結果を分かりやすく伝えるためには、グラフによる視覚化が非常に有効です。また、目的に合ったグラフを選ぶことが重要です。代表的なグラフの種類と用途:^4
  • 棒グラフ/縦棒グラフ: 項目間の量の比較(例:商品別売上、年代別回答者数)
  • 円グラフ/帯グラフ: 全体に対する構成比(例:満足度の内訳、市場シェア)
  • 折れ線グラフ: 時系列での変化(例:売上推移、ウェブサイトアクセス数)
  • 散布図: 2つの量の関係性(例:広告費と売上の関係)
  • ヒストグラム: データの分布(例:顧客年齢の分布)
Excelを使えば、これらのグラフを簡単に作成できます。ただし、ただ作るだけでなく、「伝わる」グラフにするためには以下の点に注意しましょう^4^5:
  • タイトルや軸ラベルを明確にする: 何を表すグラフなのか一目でわかるように。
  • 軸の目盛りを適切に設定する: 誤解を招くような表現(例:0始まりでない軸)は避ける。
  • 色使いを工夫する: 強調したい部分を目立たせる、凡例を分かりやすくするなど。
  • 情報を詰め込みすぎない: シンプルで見やすいデザインを心がける。

3. 分析を効率化するツール活用術

Excelは非常に便利なツールですが、より効率的に、あるいは高度な分析を行うためのオンラインツールも活用しましょう。

3-1. Excelだけじゃない!オンラインツールの活用

  • アンケートツール付属の集計・分析機能: GoogleフォームやSurveyMonkey、Questantといった多くのオンラインアンケートツールには、回答結果をリアルタイムで集計し、基本的なグラフを自動生成する機能が備わっています^6。また、簡単な分析であれば、これらの機能で十分な場合もあります。
  • 無料BIツール入門: BI(ビジネスインテリジェンス)ツールは、データを視覚的に分析し、インタラクティブなダッシュボードを作成するのに役立ちます。さらに、Googleが提供するLooker Studio (旧 Google Data Studio) は無料で利用でき、比較的簡単に操作できるため、BIツールの入門としておすすめです^7^8。また、Excelファイルやスプレッドシートのデータを読み込み、様々なグラフを組み合わせたレポートを作成できます。
  • Minediaの「AI Driven 調査ソリューション」: 定性調査が中心となりますが、オンラインインタビューデータをプラットフォーム上に蓄積し、AIによる高精度な自動文字起こしや、インタビュー内容のサマリーレポート自動生成機能を提供しています。これにより、定性データの内容把握や分析にかかる時間を大幅に削減し、定量データと組み合わせた深い考察を効率的に行うことが可能になります。

3-2. AI活用による分析の進化

近年では、AI(人工知能)をデータ分析に活用する動きも活発です。例えば、Minediaでは、AIを活用して消費者ペルソナを自動生成し、そのペルソナにインタビューできる「AIペルソナ」や、動画コンテンツの内容をAIが詳細に分析する「AI動画分析」といったソリューション開発を進めています。また、AIは、大量のデータから人間では気づきにくいパターンを発見したり、分析作業を自動化したりする可能性を秘めています。

4. 統計的検定の入口:その差は本当に「意味がある」?

分析を進めると、「グループAとグループBの結果に差があるように見えるけど、これは本当に意味のある差なのだろうか?それとも、たまたま生じた誤差の範囲内なのだろうか?」という疑問が出てくることがあります。また、このような疑問に答えるための手法が「統計的検定」です。

4-1. 「有意差」とは何か?

統計的検定では、「観測された差が、単なる偶然によって生じたとは考えにくい」と判断できるかどうかを確率的に評価します。また、この「偶然とは考えにくい」と判断された差を「統計的に有意な差」と呼びます^9^10。その判断基準としてよく用いられるのが「p値(有意確率)」です。一般的に、p値が0.05(5%)未満の場合に、「統計的に有意な差がある」と判断されます^9。これは、「観測されたような差が偶然生じる確率は5%未満である」という意味合いです。

4-2. 代表的な検定手法(紹介)

様々な統計的検定手法がありますが、ここでは代表的なものを2つ、簡単に紹介します。
  • t検定: 2つのグループの平均値に有意な差があるかどうかを比較する際に用いられます^9^11。例えば、「商品Aの満足度スコアの平均値が、男性と女性で有意に異なるか」といった分析に使えます。
  • カイ二乗検定: アンケートの選択肢の回答比率など、カテゴリデータの関連性や比率の差に有意差があるかどうかを調べる際に用いられます^9。例えば、「年代によって、支持する政党の比率に有意な差があるか」といった分析に使えます。
これらの検定は、Excelの分析ツールや統計解析ソフト、一部のオンラインツールでも実行可能です。ただし、検定手法の選択や結果の解釈には統計的な知識が必要となるため、本格的に活用する場合は専門書を読んだり、詳しい人に相談したりすることをおすすめします。

まとめ:データ分析スキルを次のステップへ

今回は、定量データ分析方法の基本的な考え方と手法、そして便利なツールについて解説しました。
  1. 集計: 単純集計で全体像を掴み、クロス集計で属性別の傾向を見る。
  2. 分析: 基本的な統計量でデータの特徴を要約し、グラフで視覚的に表現する。
  3. ツール活用: Excelに加え、オンラインアンケートツールやBIツール、AIソリューションなどを活用して効率化・高度化を図る。
  4. 統計的検定: 見られた差が偶然か意味のあるものか判断するための考え方を知る。
これらの基本を押さえるだけでも、データから得られるインサイトは格段に深まります。また、まずは身近なデータを使って、実際に手を動かしてみることが大切です。データ分析は、一度学べば終わりではありません。実践を通じて経験を積み、必要に応じて新しい手法やツールを学び続けることで、より的確な意思決定に繋がる分析が可能になります。Minediaでは、本記事でご紹介したような定量データ分析方法の基礎知識から、AIを活用した最新のリサーチソリューションまで、お客様のデータ活用を幅広くサポートしています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。また、Minediaの会社情報もご覧いただけますと幸いです。

参考文献

[1]. お役立ちコラム | クロス集計のやり方は?自社でアンケート結果を …,

[2]. アンケートにおけるクロス集計のやり方(エクセル) – 【公式 …

[3]. Excelを活用したデータ分析の方法 – DATA VIZ LAB|データビズラボ,

[4]. アンケート結果をグラフで可視化|わかりやすいレポートを作成するコツ – クリエイティブサーベイ

[5]. アンケート結果の集計方法からExcelでのグラフの作り方、効果的な分析方法を紹介 – Surveroid

[6]. オンラインインタビューとは?ツールの選び方|システム、料金 …

[7]. 5つのBIツールの長所と短所を比較する – HEARTCOUNT COMMUNITY

[8]. Power BI・Looker Studio・Tableau3選徹底比較|ビジネスに最適な…

[9]. データに有意差があるとは?統計的に確認する「有意差検定

[10]. 有意差検定とは|簡単解説 – QiQUMOコンテンツ

[11]. 2-1. 分析ツール t検定・z検定 | 統計学の時間 | 統計WEB

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