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定性データの分析方法|KJ法・コーディング・オンラインツール活用ガイド

「インタビューで集めた大量のテキストデータ、どうやって分析したらいいの?」そんな悩みを抱える方に向けて、本記事では定性データの分析方法を基礎から実践まで詳しく解説します。

また、KJ法やコーディングといった代表的な手法から、効率化を支援するオンラインツールの活用まで、定性データ分析の全プロセスを実践的にご紹介します。さらに、分析結果を分かりやすく伝えるレポーティングのコツも網羅的に解説していきます。

定性データ分析とは?その重要性

定性データ分析とは、インタビューの逐語録、観察記録、アンケートの自由回答といった、数値化できない言語や行動のデータを解釈するプロセスです。そして、そこから意味のあるパターンやインサイトを抽出します。一方で、定量データが「何がどれくらい」を示すのに対し、定性データは「なぜそうなっているのか」「どのように感じているのか」といった深層心理や背景にある文脈を明らかにします^1

この「なぜ」を理解することは、新商品開発のヒント発見、既存サービスの改善点特定、効果的なマーケティング戦略の立案など、ビジネスのあらゆる場面で不可欠です。

代表的な定性データ分析手法

定性データの分析方法には様々な手法があります。ここでは代表的な「KJ法」と「コーディング」について詳しく見ていきましょう。

1. KJ法:発想を広げ、構造化する

KJ法は、文化人類学者の川喜田二郎氏が考案したデータ整理・分析手法です。また、集団でのアイデア発想や、雑多な情報を整理し構造化するのに役立ちます^5
KJ法の進め方(基本ステップ)
  1. テーマ設定: 分析したいテーマを明確にします。
  2. データ収集・カード化: インタビュー記録などから、関連するキーワードやフレーズ、アイデアを1枚のカード(付箋など)に1項目ずつ書き出します。
  3. カードのグループ化: 書き出したカードを広げ、内容が似ているもの、関連性の高いものを集めてグループを作ります。
  4. グループ名の作成: 各グループの内容を代表する名前(ラベル)をつけます。
  5. 図解化: グループ間の関連性や包含関係などを考慮しながら、カード全体を配置し、関係性を線で結んだり、囲んだりして図解化します。
  6. 文章化: 作成した図を元に、全体の構造やそこから読み取れることを文章でまとめます。
KJ法は、個々の情報を客観的に捉え直し、それらを関連付けることで新たな視点や構造を発見するのに有効です。さらに、オンラインホワイトボードツール(例:Miro)などを活用すれば、リモート環境でも複数人で効率的にKJ法を実施できます^57

2. コーディング:データに意味付けし、パターンを発見する

コーディングとは、収集した定性データ(テキストや画像、音声、動画など)の特定の部分に、その内容を表すラベル(コード)を付与していく作業です^15。また、このコードを手がかりに、データ全体の中から共通のテーマやパターン、カテゴリーを見つけ出します。
コーディングの主な種類
  • オープンコーディング: テキストデータを細かく読み込み、データの中から概念を見つけ出し、それらに名前(コード)を付けていく初期段階のコーディングです。
  • 軸足コーディング: オープンコーディングで作成された多数のコードを、より大きなカテゴリーやサブカテゴリーにまとめ、それらの関連性を分析します。
  • 選択的コーディング: 軸足コーディングで明らかになった中心的なカテゴリー(コア・カテゴリー)を選び出し、それと他のカテゴリーとの関連性を深く掘り下げ、ストーリーラインを構築します。
コーディングは、特に大量のテキストデータを扱う場合に、体系的かつ客観的に分析を進める上で非常に有効な手法です。また、主題分析(Thematic Analysis)も、コーディングを通じてデータから主要なテーマを抽出する代表的なアプローチの一つです^16

オンラインツールの活用で定性データ分析を効率化・深化

近年、定性データの分析方法を支援する様々なオンラインツールが登場しています。これらのツールを活用することで、分析作業の効率化はもちろん、より深いインサイトの獲得も期待できます。

1. QDA (Qualitative Data Analysis) ソフトウェア

VivoやMAXQDAといったQDAソフトウェアは、大量のテキスト、音声、動画データの管理、コーディング、検索、視覚化などを一元的に行える高機能なツールです^18。また、複雑な分析や共同作業にも対応しており、本格的な定性調査プロジェクトには心強い味方となります。

2. テキストマイニングツール

アンケートの自由回答やSNSの投稿など、大量のテキストデータから有益な情報を抽出するのに役立つのがテキストマイニングツールです。さらに、KH CoderやAI Text Miningといった無料のツールもあり、頻出単語の抽出、共起ネットワーク分析、感情分析などを行うことができます^20^21

3. AIを活用した調査ソリューション

最近では、AI技術を活用して定性調査のプロセス全体を効率化するソリューションも登場しています。

例えば、私たちMinediaが提供する「AI Driven 調査ソリューション」は、オンラインインタビューシステムとAI技術を組み合わせています。そして、インタビューの実施からAIによる高精度な自動文字起こし、さらにはインタビュー内容のサマリーレポート自動生成までをサポートします。これにより、従来時間のかかっていた文字起こしや初期分析の工数を大幅に削減し、リサーチャーがより本質的な分析や考察に時間を割けるようになります。

また、Minediaの「AIペルソナ」ソリューションでは、既存の調査データやMinediaが保有する消費者データをAIに学習させることで、企業独自のペルソナを短時間で作成できます。そして、そのペルソナに対してAIがチャット形式でインタビューに答えることが可能です。これにより、仮説構築やアイデア検証のスピードを飛躍的に高めることができます。

説得力のあるレポーティングのポイント

分析から得られたインサイトを関係者に効果的に伝え、意思決定に繋げるためには、分かりやすいレポーティングが不可欠です。

定性調査レポートの基本的な構成例^5
  1. 調査概要: 調査目的、対象者、期間、手法などを簡潔に記載します。
  2. エグゼクティブサマリー: 主要な発見事項と結論、提言をまとめたものです。また、忙しい意思決定者にも内容が伝わるよう、最も重要なポイントを凝縮します。
  3. 分析結果詳細: 分析から得られた主要なテーマやパターンを、具体的な発言の引用や観察記録を交えながら説明します。さらに、視覚的な工夫(図や表など)も有効です。
  4. 結論と考察: 分析結果全体から導き出される結論と、それがビジネスにどのような意味を持つのかを考察します。
  5. 提言: 調査結果と考察に基づき、具体的なアクションプランや戦略への提言を行います。
  6. 付録: インタビューガイド、対象者属性一覧、詳細な分析データなどを添付します。
レポーティングで重視すべきこと
  • 参加者の声を活かす: 分析結果を裏付けるために、対象者の発言を効果的に引用しましょう。また、生の声は、レポートにリアリティと説得力をもたらします^1
  • ストーリーで語る: 単なるデータの羅列ではなく、発見事項を繋ぎ合わせ、一貫したストーリーとして提示することを意識しましょう。
  • 視覚的な分かりやすさ: 図や表、コンセプトマップなどを活用し、複雑な内容も直感的に理解できるように工夫します。
  • 客観性と主観性のバランス: 分析者の解釈だけでなく、データに基づいた客観的な事実を示すことが重要です。

まとめ:定性データ分析のスキルを高め、ビジネスを加速

定性データの分析方法は、消費者の深層心理を理解し、ビジネスを成功に導くための強力な武器となります。また、KJ法やコーディングといった基本的な手法を習得し、オンラインツールを賢く活用することで、分析の質と効率を飛躍的に高めることができるでしょう。

そして、分析から得られたインサイトを、説得力のあるレポートを通じて関係者に伝え、具体的なアクションに繋げていくことが何よりも重要です。Minediaでは、最新のAI技術を駆使した「AI Driven 調査ソリューション」や「AIペルソナ」などを通じて、お客様の定性調査とデータ分析を強力にサポートしています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。この記事が、皆様の定性データ分析の一助となれば幸いです。

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