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行動観察調査のやり方完全ガイド|エスノグラフィとは?オンライン応用事例も解説

行動観察調査のやり方を知りたいと思ったことはありませんか?また、エスノグラフィとは何かご存知でしょうか?アンケートやインタビューだけでは見えてこない、消費者の無意識の行動や隠れたニーズを明らかにする強力な手法が「行動観察調査(エスノグラフィ)」です。

本記事では、行動観察調査のやり方について基礎から詳しく解説します。さらに、エスノグラフィとは何か、そのメリット・デメリットから具体的な進め方、オンライン行動観察の応用方法、そして私たちMinediaのAIを活用したリサーチソリューションについてもご紹介します。

行動観察調査(エスノグラフィ)とは?

行動観察調査(エスノグラフィ)とは、調査対象となる人々を彼らの普段の生活環境の中で観察し、その行動や文脈を深く理解しようとする定性調査の手法です ^1。つまり、対象者が言葉では表現しきれない、あるいは本人も意識していないようなニーズや課題、製品・サービス利用の実態を捉えることを目的とします。

例えば、ある製品の使い勝手を調べる際に、ユーザーが実際に製品を使っている様子を観察することで、アンケートでは出てこないような問題点や、意外な使われ方を発見できることがあります。

行動観察調査のメリット

行動観察調査の最大のメリットは、言語化されないインサイトを発見できる点です ^1。なぜなら、消費者は自身の行動すべてを意識しているわけではなく、また言葉で正確に説明できるとも限らないからです。そのため、実際の行動を観察することで、言葉の壁を越えた深い理解が可能になります。

その他にも、以下のようなメリットがあります。
  • 実際の利用文脈の理解: 製品やサービスが「いつ」「どこで」「どのように」使われているのか、その具体的な文脈を把握できます。
  • 潜在ニーズの発見: 対象者自身も気づいていないような、隠れたニーズや不満を発見する手がかりになります。
  • 仮説生成の促進: 新しい商品アイデアやサービス改善のための具体的な仮説を立てやすくなります。

行動観察調査のデメリット

一方で、行動観察調査には以下のようなデメリットも考慮する必要があります。
  • 時間とコスト: 対象者のリクルーティングや実際の観察、データの分析に多くの時間とコストがかかる場合があります。
  • 観察者バイアス: 観察者の主観や解釈が結果に影響を与える可能性があります。
  • 一般化の難しさ: 少数の対象者を深く観察する手法のため、得られた結果を市場全体に一般化することは難しい場合があります。
  • 対象者のプライバシーへの配慮: 対象者の私的な空間や行動を扱うため、倫理的な配慮と慎重な計画が不可欠です。

行動観察調査のやり方|具体的な進め方

行動観察調査のやり方を効果的に進めるためには、しっかりとした計画と準備が重要です。一般的なステップは以下の通りです。

1. 調査設計(目的・対象・期間の設定)

まず、何を明らかにしたいのか(調査目的)を明確にします ^2。次に、誰を観察するのか(対象者)、どのような行動を観察するのかを具体的に定めます。場合によっては、製品のヘビーユーザーやライトユーザーといった「エクストリームユーザー」を対象にすることで、より明確な示唆が得られることもあります ^3。そして、観察期間や時間帯を設定します。

2. 対象者のリクルーティング

調査目的に合致した対象者を選定し、協力を依頼します。また、対象者には調査の趣旨を十分に説明し、同意を得ることが不可欠です。

3. 実査(観察とインタビュー)

計画に基づいて対象者の行動を観察し、記録します(メモ、写真、ビデオなど)。さらに、観察中に疑問に思った点や、さらに深掘りしたい点については、適宜インタビューを行います ^3。ただし、対象者の自然な行動を妨げないよう配慮が必要です。

典型的なシナリオとしては、対象者の日常生活の様子の観察、買い物への同行、家庭での製品使用状況の観察などがあります ^2

4. 分析とレポーティング

収集した観察記録やインタビュー内容を整理し、行動のパターンや背景にあるニーズ、課題などを分析します。また、写真やビデオなどの視覚的な情報を活用し、具体的な発見やインサイトを報告書にまとめます。

オンライン行動観察調査(デジタルエスノグラフィ)の実践方法

近年では、テクノロジーの進化に伴い、オンライン行動観察を実施する「デジタルエスノグラフィ」も注目されています。

オンライン行動観察のメリット

オンライン行動観察の実施には、以下のようなメリットがあります。
  • 地理的制約の克服: 遠隔地に住む対象者でも調査が可能です ^4
  • コストと時間の削減: 移動費や会場費が不要になり、コストや時間を抑えられます ^5
  • 対象者の負担軽減: 対象者は慣れた自宅環境でリラックスして調査に参加できます ^4
  • デジタル行動の直接観察: スマートフォンアプリの利用状況やウェブサイトの閲覧行動など、デジタル空間での行動を直接的に捉えることができます。

デジタルエスノグラフィ事例と具体的な手法

オンライン行動観察には、様々な方法があります ^6
  • 遠隔学習の様子の観察: Web会議システムを通じて、子供のオンライン学習の様子を観察する。
  • 画面共有によるアプリ利用状況調査: 対象者に画面を共有してもらいながら、特定のアプリやウェブサービスの利用プロセスを観察する。
  • スマートフォンカメラによる製品使用状況の記録: 対象者にスマートフォンのカメラで、特定の製品を使用している様子や、関連する環境(例:キッチン周り、冷蔵庫の中身)を撮影・記録してもらう。
  • オンラインプラットフォームを活用した日記調査: 専用のオンラインプラットフォームやアプリを通じて、対象者に一定期間、特定のテーマに関する行動や感想を日記形式で記録してもらう(写真や動画の投稿も含む)。

オンライン行動観察実施のポイントとMinediaのソリューション

オンライン行動観察を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
  • 事前課題の活用: 観察をスムーズに進めるため、事前に対象者に動画や日記形式で情報を提供してもらうことが有効です ^6
  • カメラ画角の計画: 観察したい行動がしっかりと捉えられるよう、カメラの位置や画角を事前に計画・指示することが重要です ^6
  • 徹底した接続テスト: 事前に通信環境やツールの使用方法についてテストを行い、当日のトラブルを避けるようにします ^6
私たちMinediaでは、このようなオンライン定性調査を強力にサポートする「AI定性調査ソリューション」を提供しています。このソリューションは、特許取得済みのオンラインインタビューシステムに加え、以下のような特徴があります。
  • インサイトデータ蓄積プラットフォーム: 実施したインタビューの映像やAIによる自動文字起こしデータをプラットフォーム上に蓄積し、社内での情報共有を活性化させ、より深いインサイト発掘を支援します。
  • 高精度なAI自動文字起こし: 日本語に特化した音声認識AIにより、文字起こしの手間を大幅に削減します。
  • AIによるサマリーレポート自動生成: インタビュー全体から重要な情報を抽出し、サマリーレポートを短時間で自動生成します。
また、観察記録が動画データとなる場合、その分析にはMinediaの「AI動画分析ソリューション」が役立ちます。動画のキーフレームごとに登場人物の特徴や感情、訴求ポイントなどをAIが自動で分析し、レポート化することで、膨大な動画データからのインサイト抽出を効率化します。さらに、行動観察調査で得られた深い消費者理解は、より精度の高いペルソナ設定に繋がります。Minediaの「AIペルソナ」ソリューションは、AIを活用して企業独自の消費者ペルソナを短時間で作成し、そのペルソナへのインタビューも可能にするなど、マーケティング活動の質を向上させます。

まとめ

行動観察調査のやり方について詳しく解説してきました。エスノグラフィとは、消費者の言葉にならない本音や、実際の利用実態を明らかにするための非常に有効なリサーチ手法です。また、オンライン技術の発展により、オンライン行動観察の活用の幅はますます広がっています。Minediaでは、最新のAI技術を駆使したリサーチソリューションを通じて、お客様の消費者理解を深め、より効果的なマーケティング戦略の立案をご支援します。行動観察調査のやり方についてご質問がある場合や、リサーチデータの活用についてご興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にMinediaへお問い合わせください。

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