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会場調査(CLT)とは?オンライン製品テストとの違い・メリット・デメリット比較

新製品のアイデアが固まってきた際、または既存製品の改良を検討している時、実際に消費者に製品を試してもらい評価を聞きたいと考えるのは自然な流れです。そこで重要になるのが「会場調査とは何か」を理解することです。さらに、近年注目されているオンライン製品テストとの違いも把握する必要があります。

しかし、「どちらの手法を選べばいいのだろう?」「それぞれのメリット・デメリットは何?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。また、CLTのデメリットやプロダクトテストをオンラインで行う利点についても気になるところです。どちらの手法にも一長一短があり、調査の目的や製品の特性によって最適な選択は異なります。

この記事では、会場調査(CLT)とオンライン製品テストの特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリット、そしてどのような場合にどちらの手法を選ぶべきか、その使い分けについて詳しく解説していきます。

会場調査(CLT)とは?基本的な仕組みと特徴

会場調査とは、Central Location Testの略称で、調査対象者にあらかじめ指定した会場に来てもらい、製品を試用・評価してもらう調査手法です^1

主な特徴:
  • 管理された環境での実施: 会場という管理された環境下で調査を実施します。そのため、温度、湿度、提示方法などの条件を統制しやすいのが特徴です。これにより、条件による評価のブレを最小限に抑えることができます^1
  • 直接的な観察が可能: 調査員が対象者の試用中の様子を直接観察できます。また、表情や使い方を確認し、その場で質問することも可能です。
  • 機密性の保持: 未発売の製品や機密性の高いプロトタイプなどを外部に持ち出すことなく調査できます。
  • 多様な評価に対応: 味覚、嗅覚、触覚など、五感を使った評価が可能です。さらに、パッケージデザインの評価や広告クリエイティブの評価など、様々な調査目的に対応できます。
実施の流れ:
  1. 調査設計: 目的、対象者条件、評価項目、会場、スケジュールなどを決定します。
  2. 対象者リクルーティング: 条件に合う対象者を募集・選定します。
  3. 会場準備: 調査に必要な機材や製品、質問票などを準備します。
  4. 調査実施: 対象者に会場へ来てもらい、説明の後、製品を試用・評価してもらいます。また、アンケート記入や簡単なインタビューを行うこともあります。
  5. データ集計・分析: 回収したアンケートや評価データを集計・分析します。

オンライン製品テストとは?デジタル時代の新しいアプローチ

オンライン製品テストは、調査対象者の自宅などに製品を送付し、一定期間試用してもらった後、オンラインアンケートなどで評価を回収する調査手法です。また、ホームユーステスト(HUT)の一形態とも言えます^2

主な特徴:
  • 実際の使用環境での評価: 対象者の普段の生活環境の中で製品を使用してもらいます。そのため、よりリアルな使用状況に基づいた評価が得られます^2
  • 地理的な制約が少ない: オンラインで完結するため、全国各地の対象者にも調査が可能です。さらに、海外の対象者にも調査を実施できます。
  • コスト効率に優れる: 会場費や調査員の費用がかからないため、CLTと比較してコストを抑えられる傾向があります^2
  • 長期間の評価が可能: 数日間〜数週間にわたる長期間の使用感や効果を評価するのに適しています。
実施の流れ:
  1. 調査設計: 目的、対象者条件、評価項目、試用期間、製品送付方法などを決定します。
  2. 対象者リクルーティング: 条件に合う対象者を募集・選定します。
  3. 製品送付: 対象者の自宅などへ調査製品を送付します。
  4. 試用期間: 対象者に指定された期間、製品を使用してもらいます。また、日記形式で記録を依頼することもあります。
  5. 評価回収: 試用期間終了後、オンラインアンケートなどで評価を回収します。
  6. データ集計・分析: 回収した評価データを集計・分析します。

CLTとオンライン製品テストの詳細比較

両者の主な違いを比較表にまとめました。
比較項目 会場調査(CLT) オンライン製品テスト
調査場所 指定された会場 対象者の自宅など
環境統制 しやすい しにくい
対象者の観察 可能 不可(オンラインインタビュー併用の場合を除く)
機密性 高い 低い(製品送付のため)
コスト 高い傾向^2 低い傾向^2
地理的制約 あり 少ない
試用期間 短時間 長期間も可能
リアルな使用状況 反映しにくい 反映しやすい
五感評価 適している 制限あり(特に味覚・嗅覚)

会場調査(CLT)のメリット・デメリット

CLTのメリット

  • 調査環境を厳密に管理できるため、比較評価の精度が高くなります^1
  • 対象者の反応を直接観察でき、深掘り質問も可能です。
  • 発売前の製品など、機密性の高い調査に適しています^1
  • 味覚テストなど、五感に訴える製品の評価に適しています。

CLTのデメリット

  • 会場費、人件費、リクルーティング費などでコストが高くなる傾向があります^2
  • 会場に来られる対象者に限定されるため、地理的な制約があります。
  • 非日常的な環境での評価となるため、実際の使用感と異なる可能性があります。
  • 短時間での評価になりがちです。

オンライン製品テストのメリット・デメリット

オンライン製品テストのメリット

  • 会場費などが不要なため、比較的低コストで実施できます^2
  • 地理的な制約が少なく、広範囲の対象者から評価を集められます。
  • 普段の生活環境での評価なので、リアルな使用状況に近いデータが得られます^2
  • 長期間の使用感や効果測定が可能です。

オンライン製品テストのデメリット

  • 対象者ごとの使用環境が異なるため、条件の統制が難しくなります^1
  • 対象者の試用状況を直接観察できません。
  • 製品を送付するため、機密保持のリスクがあります。
  • 味覚や嗅覚など、オンラインでの評価が難しい項目があります。
  • 製品の配送・回収に手間やコストがかかります。

使い分けのポイント:どちらの手法を選ぶべきか?

CLTとオンライン製品テスト、どちらを選ぶべきかは、調査の目的や製品の特性、予算、期間などによって異なります。以下の表を参考に、最適な手法を選択しましょう。
考慮点 CLTが適している場合 オンライン製品テストが適している場合
環境統制の重要度 高い(例:競合製品との厳密な比較、味覚テスト) 低い(例:普段の生活での使用感を知りたい)
機密性 高い(例:未発売のプロトタイプ) 低い(例:既存製品の改良版)
評価したい期間 短時間での第一印象や瞬間的な評価 長期間の使用感や効果
リアルな使用状況の再現 重要度が低い(例:パッケージデザインの評価) 重要度が高い(例:日用品、化粧品の使用感)
地理的な広がり 特定のエリアに限定 全国規模、あるいは特定のニッチな層
予算 予算に余裕がある場合 予算を抑えたい場合、または予算に余裕がある場合
五感評価の必要性 味覚・嗅覚・触覚などが重要 視覚・聴覚中心、または機能性評価

プロダクトテストをオンラインで効率化する方法

オンライン製品テストは、その利便性から活用場面が増えています。また、オンラインで収集したアンケートデータは集計・分析がしやすいというメリットもあります。しかし、自由回答などの定性的なフィードバックも重要なインサイトの宝庫です。こうした定性データを効率的に管理・分析し、他の調査データと合わせて活用していくことが、より深い消費者理解に繋がります。例えば、Minediaが提供するAI Driven 調査ソリューションのようなプラットフォームは、オンラインインタビュー機能に加え、調査データの蓄積やAIによる文字起こし・サマリー生成などを通じて、調査プロセス全体の効率化とインサイト発掘を支援します。

まとめ

会場調査(CLT)とオンライン製品テストは、どちらも製品評価に有効な定量調査の手法です。しかし、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。
  • CLT: 管理された環境での厳密な比較評価、機密性の高い調査、五感評価に強い。
  • オンライン製品テスト: リアルな使用環境での評価、広範囲な対象者、長期間の評価、コスト効率に優れる。
調査の目的、製品特性、予算、期間などを総合的に考慮し、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、最適な手法を選択することが重要です。また、場合によっては、両者を組み合わせる(例:CLTで初期評価を行い、有望な製品をオンライン製品テストで深掘りする)ことも有効なアプローチとなり得ます。自社の製品やサービスにとって、どのような評価方法が最適か、ぜひ検討してみてください。もし調査手法の選択や設計にお困りでしたら、Minediaまでお気軽にお問い合わせください。

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